昨今は住み替えや相続を機に、築年数が古い家付きの土地の売却を検討される方が増えつつあります。
維持管理に手間がかかる古家は早く売りたい、でもこんなボロボロの家がある状態で果たして売れるのか。
古家付き不動産の売却をどうしようか悩んでいる方にとっては、それが一番気になるポイントではないでしょうか。
今回は古家付き不動産の売却で、売主が検討した方がいいメリット・デメリットについてご紹介します。
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古家付きの不動産とは、その名のとおり築年数が古い家が建っている土地のことを指します。
ただし古家付きという言葉は俗称のようなもので、築何年以上経過した物件が古家と呼べるか明確な基準はありません。
古家付き不動産と一般的な中古戸建ての違い
築年数が経過した家付きの不動産といえば、中古戸建ての売却もあります。
古家も中古という意味では共通していますが、下記のような点が一般的な中古戸建ての売却と違います。
・人が住める状態かどうか
一般的な中古戸建てはまだ人が住める、もしくはリフォームすると十分住めるような状態で売却しますが、古家はかなり劣化していて人が住めないような状態であるケースがほとんどです。
そのため、誰が見ても「これは人が住める状態ではないな」と思うほど古い物件であれば、古家付きの不動産だと判断してもいいかもしれません。
法定耐用年数を過ぎているかどうかも判断基準の一つになる
古家付き不動産と判断するかどうかを考えるもう一つの基準として、法定耐用年数に着目するケースもあります。
法定耐用年数とは、建物が新築からどのくらいの期間利用できるかを示した数字で、建物の構造によって以下のように異なります。
●木造モルタル造…30年
●木造または合成樹脂造…33年
●厚さ3mm以下の鉄骨造…28年
●厚さ3mm超4mm以下の鉄骨造…40年
●厚さ4mm超の鉄骨造…51年
●レンガ・石造・ブロック造のいずれか…57年
●鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造のいずれか…70年
※参考:国税庁 「減価償却費」の計算について
上記を見ると木造住宅の法定耐用年数は33年で、この年数を超えていると建物自体の資産価値はほとんどなくなるとみなされるため、古家付き不動産と判断しても問題ないでしょう。
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古家付きのまま不動産を売却するメリット

古家付き不動産を売却する場合、売主にとっては次のようなメリットがあります。
メリット①古家を解体するための費用を考えなくていい
古家付き不動産を売却する際の1つ目のメリットは、古家を解体するための余分な費用がかからないことです。
仮に古家を解体して更地にした状態で売る場合、建物の構造・面積・地域などによって相場が変わりますが、100万円以上かかるケースも珍しくありません。
しかし解体せずに古家を残したまま売却すると、解体にかかる経費のことを気にせず売り出せます。
メリット②売却が完了するまでの間に発生する固定資産税の負担を軽減できる
古家付き不動産を売却する際の2つ目のメリットは、固定資産税の負担を軽減できることです。
古家付き不動産は売り出しても、すぐに買い手が見つかるとは限りません。
そのため、買主が見つかって売買契約を結んで物件を引き渡すまでは古家付き不動産の所有者は売主であり、その間に発生する固定資産税を支払う義務があるのも売主です。
固定資産税は土地と建物それぞれに課されますが、家が建っている土地は固定資産税が軽減される特例があり、最大で6分の1まで減額してもらえます。
※古家付き不動産があるエリアが都市計画区域にあれば、土地にかかる都市計画税も最大で3分の1まで減額される特例も適用されます。
ただし、この特例が適用されるのは家が建っている土地のみで、更地には適用されません。
たとえば古家付きの土地の固定資産税が15万円だった場合、古家を解体すると最大6倍=90万円まで上がってしまいます。
そうしたことを考えると、たとえ古家でも取り壊さずに売り出せば売却完了までの間に支払う税金の負担を軽減できるメリットが生まれるのです。
メリット③マイホームだった古家付き不動産の売却は3,000万円の特別控除適用期間に少しゆとりがある
古家付き不動産を売却する際の3つ目のメリットは、マイホームを売った方を対象にした3,000万円の特別控除適用期間に少しゆとりが生まれることです。
正式には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といい、売主が住まなくなってから3年後の年末までに元の家を売却すると、利益(譲渡所得)から最大3,000万円が控除される制度です。
※「住まなくなってから3年後の年末」とは、たとえば2020年10月1日に古家から引っ越したら、2023年12月31日が売却期限となります。
なお、この特例は古家を解体して更地にした後に売却するケースでも使えますが、その場合は適用期限のルールが下記のように変わります。
●(1)家を解体して土地のみを売却する場合は、土地の売買契約(譲渡契約)が取り壊し日から1年以内に結ばれること
●(2)売買契約を結んだ土地は、売主が解体前の古家から引っ越した日から3年後の年末までに買主へ引き渡すこと
たとえば2020年10月1日に引っ越して、同年10月5日に古家を解体したら、まず2021年10月4日までに土地の売買契約を結びます。
その後、売主は2023年12月31日までに買主へ売却した土地を引き渡さなければなりません。
つまり古家を解体して土地のみ売却する予定の方は、古家から引っ越した日から3年後の年末までに土地の引き渡しが完了していても、売買契約を結んだ日が家の取り壊し日から1年以内でなければ適用対象外となるのです。
現在古家に住んでいて引っ越しと同時に売却を検討している方は、この違いをじっくり検討されることをおすすめします。
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古家付きのまま不動産を売却するデメリット

古家付き不動産を売却することはメリットもありますが、デメリットももちろんあります。
古家付き不動産の売却で売主に起こりえるデメリットは、次の点です。
デメリット①すぐに買い手が見つかるとは限らない
古家付き不動産を売却するデメリットの1つ目は、売り出してもすぐに買い手が見つかるとは限らないことです。
古家付き土地を売却する時の主なターゲットは「土地を買って家を建てたい方」で、買主は不動産を購入後に古家を解体して新しい家を建てることになります。
そのため古家の解体費用は基本的に買主が負担するため、その分の予算がなければ購入を見送られてしまうかもしれません。
また買主が解体することを承諾しても、解体費用分の金額を値引いてほしいといわれる可能性も考えられます。
デメリット②契約不適合責任を問われる可能性がある
古家付き不動産を売却するデメリットの2つ目は、買主から契約不適合責任を問われる可能性があることです。
契約不適合責任とは、「買主がその事実を知っていたか否かに関わらず、契約書に記載された内容と実際の状態が適合していない場合、売主が問われる責任」をいいます。
万が一契約不適合責任にあたる場合、買主が売主に対して求められる責任の種類は、次の5項目です。
●(1)追完請求…契約書に記載されている内容と異なっている実際の状態を、契約書の内容どおりに直す(修補)よう求めること
●(2)代金減額請求…売主が追完請求に応じない、または契約書の内容どおり直すことができない場合、買主が支払った代金を減額するよう求めること
●(3)催告解除…売主が追完請求に応じず、買主が代金減額請求では納得できない場合、売買契約自体を解除すること
●(4)無催告解除…追完請求を実行しても契約内容どおりにならないことが明らかである場合、買主が実行できる権利
●(5)損害賠償請求…売主の過失によって契約不適合となった場合、買主が売主に対して損害賠償を求めること
(5)の損害賠償請求を買主が行使できるのは、売主に過失があると認められる場合のみですが、(1)~(4)に関しては売主が無過失であっても行使可能です。
古家付きの不動産は、売主も把握していない瑕疵が隠れている可能性もあるため、この点に十分注意しましょう。
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まとめ
古家付き不動産の売却は建物がかなり古くなっている分、一般的な中古戸建ての売却と比べると注意すべき点が多々あります。
しかし単純に「古家=売れない」と判断して解体するより、意外と古家付きで売却する方がいいケースもあります。
古家付き不動産の売却でお悩みの方は、まず一度不動産会社に相談してご検討ください。
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