
マイホームを売る際には、大きなお金が動くため、高額な税金が発生するのではないかと心配になるのではないでしょうか。
とくに買い換えを検討している場合には、新しい家の購入代金も必要になるため、できるだけ節税したいですよね。
この記事では、マイホームの売却にあたり利用可能な特例の種類と、そのうち買い換えの際利用できる「特定の居住用財産の買換えの特例」について詳しく紹介します。


マイホームを売却して利益が出た際には、所得税と住民税が発生し、税金を納める必要があります。
しかし売却する不動産が居住用財産であるマイホームの場合には、特例を活用すれば納める税金を節税でき、金額によっては税額を0円に抑えることも可能です。
マイホームを売ったときに利用できる特例は、現時点(2020年7月)で5種類あり、売却して利益が発生した際に使える種類と損益が出た際に利用できる種類があります。
利益が出た場合は特例で税金そのものを節税でき、損失が出た場合には売却に対しての税金は発生しませんが、払いすぎた税金の払い戻しを受けられます。
特例は併用できるものとできないものがあり、どれを利用するかをよく考えないと、損をしてしまう場合もあるため注意が必要です。
それでは5種類の特例を1つずつ簡単に紹介していきます。
<①3,000万円の特別控除>
この特例は、マイホームを売って利益が出た場合に、最高3,000万円の控除を受けられるものです。
そのため売却利益が3,000万円以下であれば、実質支払う税金は0円になります。
<②所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例>
所有していた期間が10年以上になるマイホームを売った場合に、税率を下げて計算できる特例です。
<③特定の居住用財産の買換え特例>
この特例は、買い換えを目的としてマイホームを売ったときに利用できます。
これは、売った金額より、新しく購入した家の金額の方が高かった場合には課税されずに繰り延べされることが特徴です。
<④居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例>
この特例を活用すると、マイホームを売って損失が出た、つまりマイナスになった場合に源泉徴収された税金が戻ってきます。
また1年でマイナスを補塡できなかった場合には、翌年以降も3年間にわたって繰り越して損益通算できることが特徴です。
<⑤居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例>
この特例では、ローンの残債があるマイホームを売った場合でローンの金額が売却金額を上回ってローンが残ってしまったときに、損益を通算できます。
この特例は、マイホームの買い換えでないときでも活用可能で、また繰り越しての控除もできますが、繰り越しできるのはローン残高が限度額です。
今回はご紹介した5つの特例の中から、③番目の「特定の居住用財産の買換えの特例」について詳しくご紹介します。


新しくマイホームを買うために、これまで住んでいたマイホームを売却したときには、「特定の居住用財産の買換えの特例」を利用できます。
これは、マイホームを買い換えたとき、新しく買った家の価格がマイホームを売った金額よりも高額であった場合には、課税されないという特例です。
この特例が適用されるためには、マイホームの保有期間および居住期間が10年以上である、売却金額が1億円以下である、売却する相手が夫婦や親子などの関係がある人物ではないなどさまざまな条件があります。
また買い換えで購入するマイホームについても、売却をする前年から翌年までの3年間に買い換えをする、築25年以内の耐火建築物であるか一定の耐震基準を満たす住宅であるなど、条件が定められているため注意が必要です。
そして実際にマイホームを買い換えたときには、「特定の居住用財産の買換え特例」と「3,000万円の特別控除と軽減税率」のいずれかを選択できることになっています。
しかし「特定の居住用財産の買換え特例」では、新しいマイホームをのちのち売却する場合には、そのときにあわせて課税されるため、実際には課税が繰り延べにされるだけで免除されるわけではありません。
そのため「3,000万円の特別控除と軽減税率」が適用される場合には、こちらを利用した方が有利になります。
「3,000万円の特別控除と軽減税率」は、どちらも税金の繰り延べではないので、控除や減税された金額が将来課税されないためです。
そのため「特定の居住用財産の買換え特例」は、マイホームを売って3,000万円を超える利益が出て、しかも軽減税率を適用させるよりも税金を減らせるという、かなりレアなケースでしか適用されることはありません。


「特定の居住用財産の買換えの特例」の適用を受けて税金を繰り延べるためには、マイホームを譲渡した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。
その時点ですでに買い換えを終えているか、まだ新しいマイホームを取得していないかによって、確定申告で提出する書類は異なります。
確定申告で必要な書類は、以下の通りです。
<どちらの場合でも共通して提出しなければならない書類>
①譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書・土地建物用)
※国税庁のホームページからダウンロードできます
②マイホームを売却したときの売買契約書(写し)
③売却したマイホームの登記事項証明書
※法務局で入手します
④マイホームを売却した日から2カ月経過後に、対象不動産の所在地の役所で交付されたもの、または戸籍の附票の写し
<買い換えをすでに終えている場合の確定申告で必要な書類>
①新しく購入したマイホームの売買契約書、領収書の写しなど金額が証明できる書類
②新しいマイホームの登記事項証明書
※法務局で入手します
③耐震基準適合証明書、住宅性能評価書の写し、または築25年を超える耐火建築物に買い換えた場合には既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の締結を証する書類
④新しいマイホームの所在地の役所で交付を受けた住民票の写し
<売却した翌年に新しいマイホームを購入する予定の場合に必要な書類>
①買い換えの承認を受けるための申請書
※買い換えが済んだ翌年に、改めて買い換えを終えたときに必要な書類をそろえ、提出します。
このように「特定の居住用財産の買換え特例」は買い換えれば自動で適用となるわけではないため、適用を受けるためには書類をそろえたうえで確定申告を行わなければなりません。
確定申告を怠った場合には、高額な税金が発生する可能性があるため、十分注意するようにしてください。

マイホームの売却時に利用できる特例の種類を紹介しました。
マイホームを買い換えるときには、「3,000万円の特別控除と特別減税」もしくは「特定の居住用財産の買換え特例」の利用が可能です。
しかし「特定の居住用財産の買換え特例」は実際には税金が免除されるわけではなく、繰り延べされるだけであり、将来買い換えたマイホームをさらに売ったときには合わせて納税する必要があることには注意が必要です。
なお、特例を利用するには確定申告をする必要があります。












