
マイホームを売りたいと考えたとき、どのタイミングで売るのがよいのか迷ってしまうものです。
できるだけ高く、そして損をすることなく売れる「売り時」はどのように見極めればよいのでしょうか?
この記事では、マイホームの売り時を、固定資産税と経過年数から考え、また売却を考えるときのポイントを解説します。


マイホームは、新築してから3〜5年は売り時ではないと言われています。
その理由のひとつは、新築の場合「固定資産税の減額措置」が適用され、一戸建てで3年間、マンションなどでは5年間固定資産税が減額されるためです。
固定資産税とは、土地や家屋を取得したときにかかる税金で、課税標準額に税率をかけることによって算出されます。
新築をしたときに支払う不動産所得税とは異なり、固定資産税は毎年支払わなければなりません。
固定資産税は新築時が一番高く、下限(最終残価率)に達するまで経年劣化とともに下がっていきます。
そして「固定資産税の減額措置」は、固定資産税が一番高い新築時最初の3〜5年を2分の1に減額する制度です。
軽減措置を受けられる住宅は、居住部分の床面積が50㎡以上280㎡以下でなければならないなど、要件があるため注意しましょう。
一方土地についても、住宅用地である場合には「住宅用地の特例」を受け、200㎡以下の小規模住宅用地の場合、固定資産税の課税標準額が6分の1まで減額されます。
また200㎡を超える部分については一般住宅用地として、固定資産税の評価額が3分の1まで圧縮されるため、税負担が大きく軽減されることがポイントです。
なお住宅については新築から3〜5年と期間が決められていますが、土地については期限が設けられていないため、制度が改正されない限り軽減措置は続きます。
さらにマイホームを所有してから5年以下で売却する場合、「短期譲渡所得」となって30%の所得税と9%の住民税が課税されてしまいます。
マイホームの場合は、3,000万円の特別控除や軽減税率を利用できるため、よほど高額な売却額とならない限りは問題ないでしょう。
しかしもし3,000万円を超える高額な取引になる可能性があるようでしたら、5年以下での売却はおすすめできません。
こういった税制面から考えた場合、家の売り時は、新築住宅の場合は一戸建てで3年、マンションなどの場合は5年が過ぎて、さまざまな恩恵を受けられなくなってからがよいと言われているのです。


それでは続けて、マイホームの売り時を経過年数から考えてみましょう。
マイホームは築20年を経過すると買い手がつきにくくなってしまうため、それまでが売り時と言われています。
一般的に築10年前後であれば、新築よりも安価で、しかし中古にしては新しい年数であるため市場価値が高いため、売却することは比較的難しくなく、もっとも売り時と言えるでしょう。
それより早く、築5年程度で売りに出した場合には、こんなに早く売りに出すにはなにか理由があるのかと勘ぐられるケースがあるようです。
また新築物件の価格は「新築プレミアム」と言われるように、市場の中古物件よりも割高なことが多いため、買ってすぐに売った場合2〜3割ほども損をしてしまうケースもあります。
そのため早く売りたい場合でも、築5年を過ぎるまで待ち、築10年前後で売るのが売り時としては最適です。
一方築15年前後になってくると、修繕する箇所が出てきます。
浴室乾燥機などの部屋の備品はもちろん、建物自体も経年劣化してきて、古ぼけた印象をもつ買主が多くなってくるため、少しずつ売り時から外れてきます。
またマンションの場合には、外壁の塗り直しなど大規模補修を行う時期でもあり、ひとつの節目と考えられます。
将来売却を考えているのであれば、築15年を売却の目安とするのがポイントです。
そして築20年を経過してしまうと、基本的にそのままでは価値をほとんど感じてもらえず、フルリノベーションなどを考えたうえでの購入となるため、買い取り価格はかなり低くなってしまいます。
また築20年を経過した戸建ては、登録免許税や不動産取得税の軽減措置を受けられず、また住宅ローンの特別控除も利用できないため、買主側には大きなデメリットになります。
なおこれらの特例は、マンションの場合は築25年まで有効なので、一戸建てよりは売り時が少し長いと考えてよいでしょう。
しかしどちらもこの築年数を過ぎてしまった場合には、買主側が住宅ローンを組みたくても審査が厳しくなってしまいます。
住宅ローンを組むためには耐震診断や耐震改修工事などが必要になる場合もあり、買い手を見つけるのが難しくなるでしょう。
そのため可能な限りこの築年数に達する前に、売却するのがポイントです。
そして築30年を経過してしまうと、建物の構造によっては資産価値がほとんどないと判断され、底値でしか売れません。
とくに建物の評価額はゼロに等しく、土地の評価額程度でしか売れないと考えておくようにしてください。
このように経過年数から考えた場合には、築20年を迎える前、築10年〜15年前後までが売り時と考えるのがよいでしょう。


それではマイホームを売却するときに知っておきたいポイントを紹介します。
<「安心R住宅」に認定されると買い手にアピールできる>
2018年から、国土交通省による「安心R住宅」と呼ばれる制度が始まり、買主側にとっては中古住宅を買いやすくなったと言われています。
この制度は、既存住宅の流通を促進するために、「不安」「汚い」「わからない」といった、中古住宅に対するネガティブなイメージを取り払うために制定されました。
この制度では、一定の基準を満たした既存住宅は「安心R住宅」のマークをつけて広告を打てるようになるため、買い手側が安心して購入できる住宅を見極めるひとつの目安になります。
安心R住宅に認められるには、新耐震基準などに適合していること、建物状況調査などによって構造上の不具合や雨漏りに対応した保険の検査基準に適合していなければなりません。
さらにリフォームを実施もしくはリフォームプランをつける、また耐震性や工事の実施状況などを開示するなど、さまざまな条件があります。
買主側は安心して住宅を購入できるうえ、売主側としても安心R住宅に適合すれば優良な住宅であることを証明できるため、売りやすくなると考えてよいでしょう。
登録するためには調査や検査の費用負担が必要ですが、認定を受けて売りに出すのはひとつの方法です。
<1年の中では1〜3月が売り時>
マイホームの売り時を季節で考えたときには、4月の引っ越しシーズンにタイミングを合わせることがポイントです。
4月は子どもの新学期が始まる、転勤があるなどで人が動くため、合わせてマイホームの購入や買い換えを考える人が増えます。
そのためそれにタイミングをあわせた1〜3月に売却できるよう進めると、買い手が見つかりやすく、また高く売れる可能性も高くなります。
可能な限り、売却はこの時期に合わせることがおすすめです。

マイホームの売り時を、税制面、築年数から紹介しました。
マイホームの売却は、5年未満の早期に売るのもおすすめできませんが、20年を過ぎてしまっても買い手を見つけるのが困難になります。
資産価値が保たれつつ、価格的には買主にとって手頃になる築10年から15年頃の、可能であれば1〜3月に売却するのがタイミングとしてはおすすめです。












